「七五三・お宮参り、ママは何の着物着たらいい?」
「着物の種類が分からない」
この記事は、そのような方向けに書いております。
こんにちは、きものキャリア代表兼スタイリストYui(https://www.instagram.com/kimonocareer/)です。
大阪市福島区で着付け教室を開業し、約100名の生徒様に着付けの技術に加え、賢くおしゃれを楽しむための着物スタイリングを、日々伝えております。
着物選びのポイントは3点
1.違いを知る
よく間違えられるもの
【江戸小紋と色無地】
一見どちらも無地っぽいですが、江戸小紋は地模様があります。江戸小紋は普段着、色無地は略礼装向きなので、お子様のイベントには色無地がオススメ。ただし紋が入っていれば、江戸小紋でも良いと考えます。
【付け下げと小紋】
どちらも全体に柄があることが多いですが、付け下げは柄が下から上へ、一方を向いていることが特徴です。それに対し小紋は、上を向いている柄もあれば、下を向いているものもあります。小紋は普段着、付け下げは略礼装向きなので、お子様のイベントには付け下げがオススメ。
【付け下げと訪問着】
いずれも肩と裾に柄があることが多いですが、訪問着は前身ごろの裾の柄が脇の縫い目で分断されず、後ろ身ごろにかけて繋がっています。呉服店では訪問着は着物の形になって売られていて、一方で付け下げは反物としてロール状に巻かれているので区別し易いです。最近は付け下げでも訪問着のように裾の柄が繋がって見えるように仕立てられているものも多く、区別がつかないことも。ですからお子様のイベントには、準礼装向きの訪問着・略礼装向きの付け下げのいずれも着て頂けます。
黒の訪問着(肩と裾に柄があり、裾の柄は繋がっています)
裾の柄が脇縫いを越えて繋がっている様子(絵羽柄と言います)
2.色合いと華やかさ
1.より七五三向きな着物は、紋付の江戸小紋・色無地・付け下げ・訪問着と言えます。
では手持ちや、レンタルで複数候補がある場合に選ぶポイントですが、まず色合いが大事。お子様の着物に合わせようとするお母様は多いですが、お子様の色と近過ぎると主役であるお子様が目立たなくなったり、お互いの色がキレイに見えなかったりします。
色合わせに迷ったら、お子様、お母様の小物や柄の挿し色をリンクさせてみてください。お子様の着物が先に決まっているなら、お子様の着物を中心に、お母様の着物の色合いを選んだり、どちらも着物が決まっている場合は、お母様の小物の色とリンクさせるように、お子様の髪飾りを追加しても良いと思います。
男の子の場合はお子様の着物の色が渋くかっこよい感じが多いので、その色を打ち消さないように渋めの着物を選び、小物にママらしいキレイ色を取り入れても良いかもしれません。
また色合いも近くて着たいものが複数あった場合には、より華やかなものをオススメします。やはり華やかな着物はイベントをよりおめでたい雰囲気に盛り上げてくれるからです。江戸小紋よりは、色無地、付け下げよりは訪問着の方が華やかであるケースも多いので、参考にしてください。
お子様とお母様の着物を黄色でリンクさせてみたとして、いずれも発色がくすんだり、キレイに見えなくなる可能性があります。
3.NG着物
NG着物は黒留袖・小紋(江戸小紋を除く)です。
私は準主役のママには着たいものを着て欲しいと思っていますが、黒留袖は女性の第一礼装。どうしてもお母様が主役に見えてしまうので、お子様のイベントには向きません。(前の画僧は黒色ですが訪問着であるため、肩に柄があります)しかし色留袖の場合は、着ても良いと思います。前述のように肩に柄があって、裾の柄が繋がっている(絵羽付け模様、と言います)訪問着に対し、色留袖は肩に柄がなく無地であるか、柄の代わりに紋が付いている場合があります。黒留袖よりは、色である分、見た目に訪問着に近い印象で着れるので、着たい着物が色留袖である場合は、色留袖を着ても良いと考えます。
また小紋がNGなのは、やはり普段着だから。2.で述べたように、いくら色合いが良くとも、華やかな色柄であっても、普段着はその雰囲気に見えてしまいます。一生に一度のお子様のイベントをより特別なものにするためにも、小紋以外の着物を着ることをオススメします。
4.まとめ
以上のように、着物選びのポイントを知っておくことで、七五三やお宮参り、卒業式、入学式などにも役に立ちます。参考になれば幸いです。また参考になった場合や、質問がある方は、フォームよりお気軽にご意見をお寄せください。Instagramのダイレクトメッセージからのお問合せも大歓迎です。
西田祐衣│着付け教室きものキャリア/着物スタイリスト(@kimonocareer) • Instagram写真と動画
2.色合いと華やかさ
3.NG着物