「長襦袢の衿がきれいに抜けない」
「どうしたら先生のようにきれいに衿が抜けるのかを知りたい」
この記事は、そのような方向けに書いております。
こんにちは、きものキャリア代表兼スタイリストYui(https://www.instagram.com/kimonocareer/)です。
大阪市福島区で着付け教室を開業し、100名以上の生徒様に着付けの技術、楽しさなどを日々伝えております。
まず、今回の結論からいうと、衿をきれいに抜く方法は、
1.きれいな衿抜きが必要な理由
「先生のように長襦袢の衿が抜きたい!」と着物着付け初心者さんなら誰もが思うはず。きれいに、良いバランスで抜けている女性の衿(衣紋)は美しい着物姿には欠かせません。
まず、なぜ衿が抜けていると素敵に見えるのか。 それは唯一女性らしさを表現できる部分だから。子供や男性の着付けの場合、衿はぴたりと首に沿わせます。それが子供らしさ、男性らしさなのです。大人の女性のみが、うなじの部分の肌を見せることになるので、衿を抜く(衣紋を抜く)というのは女らしさに繋がるのです。
しかし、女らしく衿を抜きたいと思っても初心者さんの衿は詰まりがちになることが多いです。私もその一人でした。「いつになったら、先生のように抜けるのだろう。」と、月日が解決してくれることのように思っていました。 それは間違い。
これまでの指導経験上、他校や独学で学んで来られた着付け経験がおありの方で、同じ衿の悩みを持つ方に共通して見られる、ミスがあります。それは大きく分けて2点。しかも2点共に、言われたら簡単に納得できるような単純なミスなのです。
2.単純なミス1点目:着物の羽織り方
長襦袢の衿は抜けた状態で、長襦袢までは着付けが終了したとしましょう。その後着物を羽織る時、気を付けていますか?
羽織った瞬間、写真のように前の衿が浮いていると問題です。せっかく抜けた長襦袢の衿を、後ろから着物で潰さないよう、首ではなく肩に乗せるよう、そーっと羽織ってみてください。
3.単純なミス2点目:襦袢のしわが残っている
単純なミス1点目の前に、長襦袢の背中のしわが取れていないと、衣紋をキープしにくいです。
長襦袢の着付けの際、写真のように背中にたくさんしわが残ったままになっていませんか?背中のしわだけでなく、ゆるみ・たるみもなくなるよう、衣紋の下、胸紐の上に残った生地を下に引いておいてください。
しかしその時、下に引く力が強すぎて、衿が抜きすぎてしまわないように、力加減を調整してください。その後、単純なミス1点目のポイントに気を付けながら着物を羽織ると良いでしょう。
4.最後に
衣紋が抜けない方はまず前述の、単純なミス1.2.を無意識にしていないか、確認してみてください。
ちなみに、きものキャリアでは、着付け初心者さん全員、初回から衿が抜けます。それは単なる手順を伝えるだけでなく、手順と手順の間に理屈が分かるような説明を入れているからです。
理屈が分かれば、手順を覚えなくても、○○だから○○する、と自然に手が動くのです。自然と手が動くようになると着付けの時間も早くなります。着物を着たい皆さんが、自分に合う学び方に出会って、遠回りせず、なりたい着姿が叶えば良いなと思っています。
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