「着物を着るのが苦しい」
「着物を楽に着たい」
この記事は、そのような方向けに書いております。
こんにちは、きものキャリア代表兼スタイリストYui(https://www.instagram.com/kimonocareer/)です。
大阪市福島区で着付け教室を開業し、100名以上の生徒様に着付けの技術、楽しさなどを日々伝えております。
まず、結論からいうと、着物を楽に着るポイントは、
枕の位置や使い方を知るだけで、楽に着物を着れるようになります。
以下、記事を読むことで、ラクで楽しい着物ライフを満喫してください。
1.着物着付けにおける、枕とは何か
まず着物着付けにおける枕とは、写真のようにクッション状になっていて、両端に紐が付いているもの(もしくはガーゼ等がクッションの上に掛けられ、ガーゼが紐の役割をするもの)のことで、大きさや形は様々です。
枕もしくは帯枕とも呼ばれるように、帯を背中で形作るために用いる着付けの道具の一つ。
通常、小紋(普段着のこと)・色無地・付け下げ・訪問着・留袖・振袖など、ほとんどの種類の着物の着付けで、名古屋帯・袋帯を締める際に用います。浴衣や袴では通常、半幅帯を締めるので、多くの場合枕は使いません(浴衣や袴を楽にする着付けに関してはまた改めて)。
特に卒業式・入学式にママが着る着物は色無地・付け下げ・訪問着などが一般的なので、その場合は枕を使った着付けをします。
2.枕の使い方
では枕はどの様に使うものなのでしょうか。
枕は帯を背中で固定するものなので、着付けの後半、帯結びに入り、終盤手前くらいで着付け師が枕を手にします(自分で着付けをする場合も同じタイミングで用います)。
背中に枕を当て、その両端に付いている紐(もしくはガーゼなどひも状のもの)を後ろから前に持ってきて、左右の紐同士を前で結びます。
その後紐が見えなくなるように、帯の中に入れたり、帯揚げ(正面、帯上部で結ぶ布)で隠したりします。
3.着物の着付が苦しくなる理由
ここからが着物が苦しくなる理由です。
前にきた枕の紐の位置が高いと、みぞおち辺りを締め付けます。
それにより、圧迫感や不快感、また食事が取れないなどの、しんどさに繋がってしまうのです。
4.簡単な対処法
4-1.枕の位置を下げる
ではどうすれば改善できるのでしょうか。
解決策は枕の紐の位置を下げること。
★着付けが終わると枕の紐は帯揚げで隠れてしまうので、帯揚げの下にある枕の紐(通常白色か薄いピンク色、またはそれに近い色の場合が多い)を帯の内側へ、上から下へ、グイグイ押し下げていってください。
写真の白い紐が枕の紐です。
しかし多くの方は「紐を下げようとしても下がらない(下がりにくい)」と感じられます。
その場合は、真正面の一点だけでなく、両脇の紐も親指を使って下げ、また正面の紐も下げ、と、前にある枕の紐全体を下げるように努力してみてください。
親指一本分(5cm程度)が帯の上部から内側に入るくらい、枕の紐の位置を下げれば、鳩尾の圧迫を避けられるので、かなり楽に感じられます。
4-2.枕の紐の位置が下がらない場合
それでも紐が下がらない場合は、枕の紐自体を結び直してみてください。
その時気を付けることは、①まず紐を外したら、背中に枕の部分がしっかり当たっていることを確認するように、前に紐を引いてください。
その後、②背中に当たっている枕の感覚を維持したまま、緩めないように紐を結びます。
③結び目の位置を体の中心にはせず、左右いずれかにずらしておいてください(やはりみぞおち辺りの圧迫を避けるため)。
その後、前述の★以下のように、枕の紐を全体に下げてください。
4-3.まとめ
以上のように、枕の紐を下げる、もしくは結び直して下げる、というポイントを知っておくことで、着物を着ていてどうしようもない程しんどい時には自分で対処できます。
また自分で着物を着付ける場合は、着付けの段階で枕の紐の位置を気にしておけば、これが原因で後で苦しくなることもなくなります。
着付け師に着付けを依頼する場合も、事前に、枕の紐を下げて欲しいと、伝えておくと良いでしょう。
また、着物着付けで苦しくなる原因の多くが【枕の紐の位置】ですが、他の理由でも苦しくなる場合があります。
枕の紐を上記のように調整したのに、あまり改善しない、もしくは全く改善しない場合は、他の原因が考えられます。
その場合はフォームよりお気軽にお問合せください。Instagramのダイレクトメッセージよりお問合せ頂いてもかまいません。
●枕の紐の位置が高いと、着付けが苦しくなる
●対処法としては、枕の位置を下げること
●枕の紐の位置が下がらない場合、枕の紐自体を結びなおす